琥珀色の富士が輝く
グラスで乾杯!
先日、キリンさんのウイスキー蒸溜所に行く機会があった。製造方法やこだわり、歴史などを体感でき、とても満足だった。そして、蒸溜所ツアーの終了後、私はお土産売り場を見ていた。
すると、グラスの底に富士が浮かぶとてもお洒落なウイスキーグラスが目に付いた。その時浮かんだ顔が、100歳のおじちゃんだった。お酒が大好物のおじちゃん、富士山のようなめでたいものも、きっと好きだろうと思い買っていった。
そして今日、グラスを渡すと、とても喜んでくれた。「おぉ。これは、いいなぁ。」そう言うと、「一杯やるか!」と、お酒を飲みたそうに言った。ウイスキーが家には無かったため、ビールを渡した。
慣れた手つきで、ビールの蓋を開け、飲み始めた。「これはいい! うまいなぁ。」とまた一言。
どうやら、ビールの琥珀色に輝いたグラスの底の富士にまだ気がついていないようだった。私が「おじちゃん、ここ、富士山だよ。」と、何回か伝えると、やっと気がついた様子で、「お〜! 本当だ。これはいい!」と、何度も嬉しそうに富士を眺めていた。
富士山の輝くウイスキーグラスで、ビールを飲むおじちゃん。次は、ウイスキーを買ってグラスに注いであげたい。
文・撮影/福田 伊万里